レスターシャーからのおくりもの。

近頃入ってきたイギリスチーズの中で、一際目を引くニクいヤツ、それが目にも鮮やかな暗褐色のRed Leicesterです。この綴りでレッド・レスターと読むんだよね、イギリス英語って・・・!(余談ですが「-cester」という地名はは、ほぼ例外なく「-スター」と読むらしいことが、ようやく身につきました。だからGloucesterがグロスターだったりするのですね。ふむ。)
暗褐色のヒミツは、製造時に加えられるアナトー色素。南米原産のベニノキという植物由来の色素です。ちなみに、ベニノキが欧州にもたらされる前は、ビーツやキャロットで赤い色を出していたらしいですよ〜。


半分になった姿はこんなカンジ。布に包まれた状態で、7〜8ヶ月間熟成。通常4〜9ヶ月熟成させるチーズらしいので、今回入荷したものは熟成が進んだ個体と言えるかと。(今回が始めてのレッドレスターとの出会いなので、布で包んで熟成させねばならないという規定があるのかはナゾです・・・)

カットするとこんなカンジ。

細かくしてしまうと一見ミモレットと見まごうようですが、風味と見た目のバランスは、やはりミモレットとは似て非なるもの。見た目は熟成が進んだミモレットなのだけど、風味はもっと穏やかで、独特の味わいがあるのです。一番最初にカットした時の感想が、「・・・煮物みたいな味がしません?」「おばんざいの味つけだよ」「あー・・・焚き合わせでこんなのあったかも」・・・とまあ、もはやチーズの試食なのかなんあのかわからない(笑)。いや、間違いなくチーズの味ではあるのですが、この風味はまったく新しい出会い。黒ビールやワインだけではなく、熱燗や老酒にも合いそうというか。ともかく、複雑なコクと旨みはありつつも、ふわっとやわらかい味わいです。いやはや。

もっとレッド・レスターについて語れることはないかなあと思っていたら・・・ひとつだけネタがありました!レスター・シティってサッカーチームがありますよね。今シーズンからは阿部選手も在籍しているトコロ。レッド・レスターはその地域のチーズです。それでもって、レスターといえば、古くはあのゲーリー・リネカーの出生地&出身クラブでもあるのですよ〜(なぜこんなことを知っているかというと、フタ昔前、私は彼のファンクラブに入っておりました…)。そう思うと、往年のフットボール・ファンの方にエール片手にお試しいただきたいチーズです(笑)。

tamtam.